痛風(高尿酸血症)
痛風(高尿酸血症)
痛風は「風が当たっただけで痛い」と表現されるほどの激痛が発作的に起こる関節炎です。主に足の親指の付け根付近に生じます。初めて痛風を発症する患者さんの多くは30~50代の男性で、女性が痛風になることは比較的少ないです。痛風発作の激しい痛みは数日間続き、手当ての有無にかかわらず、やがて治まってくるのがふつうの経過です。このため患者さんの中には、発作の原因である「高尿酸血症」を治療せずにいる人が少なくありません。高尿酸血症そのものは、全く自覚症状がない病気だからです。高尿酸血症とは、からだの新陳代謝で発生する老廃物である「尿酸」が増え過ぎている状態です。
尿酸コントロールには「6-7-8のルール」が適応されます。8以上は多くの場合、薬物治療が必要で、6以下をめざします。そして7以下は正常、7を超えると高尿酸血症です。
痛風は「高尿酸血症」という疾患のために発症する症状です。高尿酸血症は新陳代謝で発生する老廃物である「尿酸」が増えすぎている状態です。高尿酸血症のために体内で結晶化した尿酸は、関節や腎臓などに溜まります。関節に溜まった尿酸の結晶が痛風発作の原因となります。
痛風で生じる主な症状は「風が当たっただけで痛い」と表現されるほどの激痛が発作的に起こる関節炎です。痛みが起こる場所は、足の親指の付け根が最も多く、痛風患者の約7割の方がこの部分に痛みを感じています。その他、足首、くるぶし、ひざ、耳などにもみられます。痛風そのものは短期間で治まっても、高尿酸血症を治さないことには体内の尿酸結晶はそのまま存在し続けます。その結果、痛風発作が再発したり、関節部がこぶ状に腫れたり、腎臓中の尿酸結晶が原因で腎臓病になったり、尿路結石ができたりといった、さまざまな合併症が起こります。
高尿酸血症を疑われた場合、あるいは健康診断などで上表の診断基準であった場合、まずはクリニックを受診してください。また、痛風と診断された場合、高尿酸血症を治療することを検討しましょう。
第一は減量をしていくことが重要です。適切なカロリーで栄養バランスのよい食事をとること、そして適度な運動を続けることが欠かせません。なお、運動の強さが強過ぎると、逆に尿酸値が高くなるので注意してください。