
高血圧ってどこからが危険なの?
高血圧ってどこからが危険なの?
高血圧の基準には「診察室血圧」と「家庭血圧」の2種類があり、それぞれ基準値が異なります 。一般的に、家庭血圧は落ち着いた環境で測定できるため、診察室血圧よりも基準値がやや低く設定されています 。この基準に基づき、診察室血圧が140/90mmHg以上、または家庭血圧が135/85mmHg以上の場合に「高血圧」と診断されます 。
血圧の高さによるリスクは一様ではなく、年齢、持病、生活習慣などによって一人ひとり変わります 。世界保健機関/国際高血圧学会(WHO/ISH)のリスク分類では、血圧値だけでなく、他の病気(慢性腎臓病、脂質異常症、糖尿病など)を総合的に評価して、脳血管疾患や心疾患のリスクを分類しています 。下の表でご自身の血圧と他のリスク要因を照らし合わせ、リスクの程度を確認してみましょう 。
他のリスク因子および病歴 | グレード1 上の血圧:140-159 下の血圧:90-99 |
グレード2 上の血圧:160-179 下の血圧:100-109 |
グレード3 上の血圧:180以上 下の血圧:110以上 |
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Ⅰ:他にリスク因子なし | 低リスク | 中等リスク | 高リスク |
Ⅱ:リスク因子が1~2個 | 中等リスク | 中等リスク | 特に高リスク |
Ⅲ:リスク因子が3個以上 または臓器障害、循環器疾患 |
高リスク | 高リスク | 特に高リスク |
肺胞細胞癌、陽極性閉鎖筋収縮 | 特に高リスク | 特に高リスク | 特に高リスク |
このリスク分類は、どれだけ将来の脳血管疾患や心疾患の発症に影響を与えるかによって決まります。具体的には以下の項目が挙げられます。
例えば、グレード1の高血圧(上の血圧:140-159、下の血圧90-99)では、「Ⅰ:他にリスク因子なし」に該当するような方であれば、それほどリスクは高くありませんが、65歳以上で喫煙習慣があり、慢性腎臓病を患っている方であれば、「Ⅲ :リスク因子が3個以上」に当てはまり、重症化リスクは高まります。 このように同じ血圧の値であっても背景にある疾患や生活習慣などで重症化リスクは大きく異なります。
高血圧が進行するもしくは高血圧の状態を放っておくと、動脈硬化(血管へのダメージ)やそれによる血流の悪化が生じ、結果として血液を大量に使う心臓、腎臓、脳などの臓器に負担をかけます。
心疾患
心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が動脈硬化で狭まったり詰まったりすることで起こります。
高い血圧に抵抗して心臓が働き続けることで、心臓の筋肉が厚くなり、やがて疲弊して全身に十分な血液を送れなくなる状態です。
脳卒中
脳の細い血管が高血圧によって破裂する病気です。
脳の血管が動脈硬化で詰まり、脳に血液が届かなくなる病気です。麻痺や言語障害などを引き起こし、命に関わることもあります。
腎臓は、体内の老廃物をろ過し、尿として排出する重要な臓器です。高血圧は腎臓の血管を傷つけ、腎臓の働きを低下させます。進行すると、透析が必要になることもあります。
体の中で最も太い血管である大動脈に、高い圧力がかかり続けることで、こぶができたり(大動脈瘤)、血管の壁が裂けたりする(大動脈解離)危険な病気です。
目の奥にある網膜の血管にも高血圧の影響が及び、視力低下や失明に至ることもあります。
血圧の数値が正常血圧より高い場合、自己判断で放置するのは危険です。どのような対応が適切かは、年齢、他に抱える病気の有無、といった様々な要因から判断する必要があります。そのため、専門家である医師に相談することが不可欠です。健康診断で高血圧を指摘された方、あるいはご自身の血圧が気になる方は、ぜひ一度堺市西区の「はたなかクリニック」へご相談ください。