
eGFRの低下
eGFRの低下
eGFR(推算糸球体濾過量)とは、腎臓が1分間にどれくらいの血液をろ過できるかを示す数値です。 腎臓は、血液中の老廃物や余分な水分をろ過して尿として体外に排出する働きをしています。 eGFRは、この腎臓のろ過能力を数値化したもので、腎臓の健康状態を知るための重要な指標となります。
eGFRの正常値は、一般的に60mL/分/1.73㎡以上とされています。 しかし、年齢や性別によって正常値は異なり、高齢になるほどeGFRは低下する傾向があります。
eGFRが60mL/分/1.73㎡未満になると、腎臓の機能が低下している可能性があります。 腎臓病は、eGFRの値によって以下の5つのステージに分類されます。
ステージ | eGFR (mL/分/1.73㎡) |
---|---|
G1 | 90以上 |
G2 | 60~89 |
G3a | 45~59 |
G3b | 30~44 |
G4 | 15~29 |
G5 | 15未満 |
ステージが進むにつれて腎機能は低下し、ステージ5になると末期腎不全と診断され、透析療法や腎移植が必要になります。
eGFRが低下する原因には、主に以下のようなものが挙げられます。
eGFRが低下しても、初期段階では自覚症状が現れないことがほとんどです。 しかし、進行すると以下のような症状が現れることがあります。
腎臓病が進行すると、吐き気、嘔吐、呼吸困難、意識障害などの症状が現れることがあります。 また、腎臓病は動脈硬化や高血圧を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な疾患を引き起こす可能性があります。早めに大阪府堺市西区の『はたなかクリニック』をご受診ください。
尿中のタンパク質や糖などを調べ、腎臓の異常を検出します。
血管年齢を測定し、動脈硬化の進行度合いを調べます。
頸動脈や腎臓を、超音波を使い画像(エコー検査)で診断する超音波エコー検査を実施します。頸動脈では動脈硬化の進行度合いを調べ、腎臓のエコー検査では腎臓そのものの大きさや形を調べます。
eGFRが下がる原因は大きく分けて腎臓に問題がある場合と、腎臓以外に問題がある場合に分けられます。
腎臓に問題がある場合
糖尿病により腎臓の機能が低下する病気です。日本では透析治療に移行する原因として最も多いのが糖尿病性腎症です。
腎臓の血管が固くなり、血流が悪くなることで腎機能が低下する病気です。
腎臓の中の糸球体が炎症を起こす病気です。
腎臓に多数の水ぶくれのようなものができる遺伝性の病気です。
感染によって腎臓に炎症が起きる病気です。
腎臓以外に問題がある場合
などがeGFR低下の原因にあります。
高血圧は、腎臓の血管に負担をかけ、腎機能を低下させる原因となります。 腎臓病が進行すると、さらに高血圧が悪化するという悪循環に陥る可能性があります。
腎臓病によって、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、高血圧を引き起こすことがあります。 また、腎臓から分泌されるレニンという物質が増加することで、血圧が上昇することもあります。
高血圧は、腎臓病の進行を早めるだけでなく、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高めます。 腎臓病の予防・改善のためには、血圧を適切にコントロールすることが非常に重要です。