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ブログ

インフルエンザワクチン接種はどうする?2021

このブログをご覧いただきありがとうございます。

はたなかクリニック院長の畑中雅喜です。

 

今回は2021-2022シーズンのインフルエンザワクチン接種をどうするかを考えていきたいと思います。

日本感染症学会から「2021-2022年シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方」という提言が出されており、これを参考にお話したいと思います。

 

今回の内容

・今年はインフルエンザは流行するのか?

・インフルエンザワクチンの効果は?

・インフルエンザワクチンの副反応は?

・インフルエンザワクチンの値段は?

・結局、インフルエンザワクチンは接種すべき?

 

 

インフルエンザは流行するのか?

2021年は2020年同様に新型コロナウイルスが猛威をふるい、このブログを執筆している10月現在、日本ではやっと第5波が落ち着いてきた段階です。今後2022年2月頃にくるかもしれないと試算されている第6波にむけて対策を講じることが重要ですが、一方で冬になると毎年流行していたのがインフルエンザです。

 

「流行していた」と過去形にしたのは、昨年の状況があるからです。

 

新型コロナウイルスの流行拡大とともにインフルエンザとの同時流行が懸念された2020-2021シーズンでしたが、蓋を開けてみるとインフルエンザの感染者数は非常に少ない結果となりました。

 

下の図はインフルエンザの感染者数をシーズン毎に表したものです。少し見にくいのですが、昨シーズンは感染者数が激減したことがわかります。

 

 

インフルエンザ定点医療機関1カ所あたりの患者数は、例年はピーク時で1週間で40人前後、多い年は50人を超えるのですが、昨シーズンはピークもほぼなく0.01~0.02人で推移しました。私も、昨シーズンは1人もインフルエンザと診断した患者さんはいませんでした。こんなことは初めてでした。

 

コロナとインフルエンザで大混乱になるんちゃうか、と想像していたのでいい意味で肩すかしをくらった感じでした(ただしコロナの感染者数は多かったので大変なのに変わりはありませんでしたが)。

インフルエンザが流行しなかった理由は様々あると思いますが、やはり新型コロナウイルス対策として行っていた感染症対策(マスク、手洗い)や、三密回避、国際的な人の動きの抑制がそのままインフルエンザ対策となっていたことが大きいのではないかと思います。

 

では今シーズンはどうなるのでしょうか。

 

すでに「コロナ時代」の2回目の冬を経験した南半球での報告が参考になるのですが、オーストラリアでは昨年同様、感染者数は少なかったようです。

 

それでも、今シーズンにインフルエンザが流行する可能性があると推測する根拠が3つあります。

 

  1. アジアでは流行している地域があり(2020年夏や2021年初夏にバングラディシュで、2021年夏にインドで流行)、これらの地域でウイルスが広まり、今後人の移動が活発になれば世界中に広まる可能性がある。
  2. 昨シーズンにインフルエンザが流行しなかったため、社会全体の集団免疫が形成されていない。
  3. 新型コロナウイルス流行が落ち着くと人々の移動や交流が活発となり、またマスクや手洗いなどの感染対策がおろそかになる可能性がある。

 

このような考えのもとに、イギリスでは例年の1.5倍の流行になると予想し、インフルエンザワクチンの接種を推奨しています。

 

インフルエンザワクチンの効果は?

厚生労働省ホームページ内の「インフルエンザQ&A」を参考にお話します。

インフルエンザワクチンは「感染(ウイルスが体内に入り増殖すること)」を抑えることはできないとされています。しかし、「発病(ウイルスによる症状が出現すること)」を抑制し、また「重症化」も抑制することができます。

 

国内の研究では、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を抑制する効果があったとされています。

 

インフルエンザは高齢者や基礎疾患のある方では重症化するリスクが高いとされていますので、ワクチンで重症化を防ぐのは重要です。

 

インフルエンザワクチンの副反応は?

厚生労働省ホームページ内の「インフルエンザQ&A」を参考にお話します。

 

ワクチンを接種した時に、免疫がつく以外の反応が起こることがあり、これを副反応と呼んでいます。

 

インフルエンザワクチンによる副反応でよく見られるのは、接種した場所の腫れ、赤み、痛みで10~20%に生じますが、通常2~3日でなくなります。

 

全身の反応としてはだるさ、頭痛、発熱、寒気などがありますが、5~10%程度で、こちらも通常2~3日でなくなります。

 

まれに強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が生じることもあります。

また、ワクチン接種後の死亡例も毎年0~4人報告されていますが、現時点ではワクチン接種との因果関係はないとされています。

 

個人的な印象ですが、インフルエンザワクチンの注射は痛いっちゃ痛いけど、それだけなんで新型コロナワクチンに比べると全然マシ、と考えています。

 

インフルエンザワクチンの値段は?

医療機関によって異なるのですが、3000円台が多いように思います。65歳以上の高齢者や、60歳以上で決められた疾患がある場合などは自治体から助成金が出ることもあります。

 

医療機関によって値段が異なるのは、インフルエンザワクチン接種が自由診療(保険外診療)になるからです。ワクチンの原価に加えて診療料金を各医療機関が自由に設定できるために値段が異なるのです。

 

結局、インフルエンザワクチンは接種すべき?

最初にご紹介した日本感染症学会からでている「2021-2022年シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方」という提言では、インフルエンザワクチンの積極的な接種を推奨しています。

 

専門家集団である学会の立場として、インフルエンザが流行するかしないかわからないのに、「インフルエンザワクチンの接種は不要です」とはとても言えないと思うので、この提言はある意味当然だと思います。

 

そういううがった見方をしたとしても、私もインフルエンザワクチン接種には賛成の立場です。

 

理由は、ワクチンを打つことによるメリット(発症や重症化を抑制できる)がデメリット(副反応や費用)を明らかに上回ると考えるからです。

 

もしインフルエンザが流行したら、熱がでて医療機関に行くことになりますが、このコロナ時代、発熱患者を診療してくれない医療機関もあることは皆さんご存じだと思います。診療してもらえたとしてもコロナとの区別が難しく、多くの時間や手間がかかることが予想されます。

医療機関の立場としても、冬には再度新型コロナが流行する可能性がある中で、ワクチンである程度予防できるのであればそれにこしたことはないと思います。

 

私は接種を受ける予定です。

 

ただ、日本国民全員が受けることは困難です。

今シーズンのワクチン供給量は8月時点で約2567万本から約2792万本とされています(1本で大人2回分)。

 

ですので、高齢者や基礎疾患があり重症化するリスクのある方、医療関係者、同居している家族に重症化するリスクがある方、インフラ関係の職に従事する方、受験生などが積極的にワクチン接種をすべきと考えます。

 

なお、日本ではインフルエンザワクチンはコロナワクチンとの同時接種は出来ません。2週間の間隔をあけることになっていますので、ワクチン接種スケジュールにご注意ください。

 

まとめ

今シーズンはインフルエンザが大流行する可能性がある。

・そのためインフルエンザワクチン接種が積極的に推奨される。

 

以上です。

 

ワクチンだらけで大変ですが、できる対策をして、健康的な生活を送りましょう。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

2021/10/14 畑中雅喜(総合内科専門医)