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ブログ

糖尿病

こんにちは、このブログをご覧いただきありがとうございます。

はたなかクリニック院長の畑中雅喜です。

 

今回は糖尿病を取り上げます。

 

今回の内容

・糖尿病とは

・糖尿病の症状

・糖尿病と診断するための検査

・糖尿病を治療するのはなぜ?

 

糖尿病とは

血液の中には糖分(ブドウ糖:グルコース)が含まれています。糖分は体にとって重要なエネルギー源で、特に脳にとってはブドウ糖が基本的に唯一のエネルギー源です(体の他の部位はタンパク質や脂質もエネルギー源になります)。

 

そんな重要な糖分ですが、血液中の糖分(血糖値)はインスリンという膵臓から分泌されるホルモンによって調節されています。インスリンは血糖値を下げる働きがあるのですが、インスリン分泌が足りなかったり、分泌はされていても体がうまく利用できないと血糖値が上昇します。この状態のことを糖尿病といいます。

 

令和元年の「国民健康・栄養調査」によると、「糖尿病が強く疑われる者(=糖尿病と診断されている者、またはその疑いが強い者)」は男性19.7%、女性10.8%で、年齢が上昇するほどその割合は増えていきます。60歳以上の男性では4人に1人が糖尿病、またはその疑いということになります。まさに「国民病」ですね。

 

糖尿病の症状

糖尿病の症状として有名なものは、口渇、多飲、多尿があります。

尿中に余分な糖分を出すために多尿になり、そのため喉が渇き(口渇)、水分をたくさん摂る(多飲)ようになります。

しかし、このような症状が出現するのは糖尿病になってしばらくしてからで、初期には症状がないことが普通です。

検診でひっかかったり、別の病気で医療機関を受診した時にたまたま糖尿病を指摘される、ということも少なくありません。

 

糖尿病と診断するための検査

糖尿病と診断するには血液検査が必要です。

糖「尿」病ですが、「尿」の検査は必須ではありません。

この表に出てくる「血糖値」には3つの基準があり、

①早朝空腹時血糖値126mg/dl以上(お腹が空いた時の血糖値が126mg/dl以上)

②75g経口ブドウ糖負荷試験(75g OGTT)2時間値200mg/dl以上

 (濃い糖分の液体を飲み、2時間後の血糖値が200mg/dl以上)

③随時血糖値200mg/dl以上

 (食事に関係なく、任意のタイミングで測定した血糖値が200mg/dl以上)

となっています。この①~③のうちいずれか1つでも満たすと血糖値の基準を満たすことになります。

 

「HbA1c」は、ヘモグロビンエーワンシーと読み、約1~2ヶ月前の血糖値の平均値を示す数値で、5.9%以下が正常範囲内とされています。6.0~6.4%は糖尿病予備軍とされ、6.5%以上が糖尿病の疑いがあるとされます。

 

上の図はなかなかややこしいですが、要は血糖値とHbA1cを組み合わせて糖尿病の診断を行うということです。

 

糖尿病を治療するのはなぜ?

先ほど「糖尿病では症状がないことが普通です」と書きましたが、それでは、なぜ治療する必要があるのでしょうか?

 

糖尿病は血糖値があがる病気であり、血糖値が上昇しすぎることにより口渇、多飲、多尿が生じたり、ひどくなると脱水状態となり、血圧が下がり意識がなくなることもあります。

また、血糖を下げる治療によって血糖がさがりすぎて低血糖となることもあり、動悸やふるえ、発汗が生じ、場合によっては意識がなくなることもあります。

 

このように、血糖値そのものによる症状も重要ですが、それと同じかそれ以上に糖尿病によって将来的に生じる合併症を予防することが重要だからです。

 

糖尿病によって将来的に生じる合併症は大きく3つに分けられます。

①細小血管障害

②動脈硬化性疾患

③その他

 

①細小血管障害として代表的なものは3つあります。

  1. 糖尿病性網膜症:失明につながる
  2. 糖尿病性腎症:透析につながる
  3. 糖尿病性神経障害:しびれやふらつき、排便障害、排尿障害などにつながる

 

②動脈硬化性疾患として代表的なものも3つあります。

  1. 冠動脈疾患:心筋梗塞や狭心症など
  2. 脳血管障害:脳梗塞や脳出血など
  3. 末梢動脈疾患:足への血流障害により足の痛みなどが出現。最悪の場合切断も

 

③その他としては以下のようなものがあります。

  1. 足病変:水虫や潰瘍などが発症しやすい
  2. 手病変:こわばりや指の動きの制限、痛みなど
  3. 骨病変:骨折リスクの増加
  4. 歯周病:重症化しやすく、歯がぬける原因となる
  5. 認知症:発症のリスクが高まる
  6. 癌:大腸癌、肝臓癌、膵臓癌のリスクが高まると報告されている

 

このように、糖尿病によって起こりうる病気は非常に多く、「糖尿病は万病の元」です。

そのために早期から、すなわち「無症状のうちから」治療することが非常に重要です。

 

しかし、実際には無症状であるがために治療に真剣に向き合うことができず、途中で中断してしまうことも多々あります。

 

気持ちはわかります。「何も症状がないのに、血液検査の異常だけでなんでそんなに食事制限したり、薬を飲まないとあかんの?」と思うのはごく自然だと思います。

 

しかし我々医療従事者は、糖尿病を放置したため、あるいは治療が不十分だったために生じた病気にかかった患者さんをたくさん診てきており、もっときちんと治療しておけば、と思うことがよくあります。そういう状態になった時に患者さん自身も、もっと早くから治療しておけば良かった、と気づくことになります。

 

特に私は腎臓内科医ということもあり、糖尿病の影響で透析を行わなければならない患者さんをたくさん診てきたので、もっと早くから治療を受けていたら、と思うことがよくあります。後悔している患者さんともたくさんかかわってきました。

 

そうならないように、「無症状の」患者さんにどのように治療に参加していただくか、難しい問題ではありますが、長く付き合う病気となりますので、専門家としてできる限りのサポートをしていきたいと考えています。

 

長くなってしまったので、実際の治療については別の機会に書いてみようと思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は糖尿病を取り上げました。

 

・血糖値が上昇した状態が続くことを糖尿病といいます。

・糖尿病と診断するためには血糖値とHbA1cを用います。

・糖尿病は無症状であることが多いですが、将来的な合併症を予防するために治療することが重症です。

・無症状がゆえに治療継続が時に困難となりますが、一緒にがんばれるようにできる限りのサポートを行います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

2021/08/28 畑中雅喜