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高血圧と慢性腎臓病

このブログをご覧いただきありがとうございます。

はたなかクリニック院長の畑中雅喜です。

 

「高血圧」という言葉は聞いたことがあると思います。

その名の通り、血圧が高い状態を指しますが、日本では4300万人が高血圧といわれており、「国民病」といって差し支えありません(1)。

 

今回は高血圧と慢性腎臓病の関連についてお話したいと思います。

 

高血圧について書いたこちらのブログや慢性腎臓病について書いたこちらのブログもご参照ください。

 

今回の内容

・高血圧が慢性腎臓病発症の原因となる

・高血圧が慢性腎臓病進行の原因となる

・慢性腎臓病が高血圧に及ぼす影響

 

 

高血圧が慢性腎臓病発症の原因となる

まずは下のグラフを見てください。

これは、日本での研究結果ですが、正常血圧(120/80mmHg未満)の患者さんと比べると、正常高値血圧または高値血圧(120~139/80~90mmHg)、Ⅰ度高血圧(140~159/90~99mmHg)、Ⅱ度高血圧(160/100mmHg以上)の患者さんでは、CKDを発症する可能性がそれぞれ1.49倍、1.83倍、2.55倍となることが示されています(2)。

 

なお、正常血圧や正常高値血圧などの定義は以下となっています。

 

また、家庭血圧のみが高値を示す仮面高血圧と持続性高血圧ではCKDが発症するリスクが正常血圧に比べて2.56倍と3.60倍であった(3)という報告もあります。ちなみに白衣高血圧ではリスクは上昇していませんでした。

なお、白衣高血圧とは診察室でだけ高血圧となり自宅では正常なものを指します。仮面高血圧は白衣高血圧の逆で、診察室では血圧が正常なのに自宅では高血圧である状態を指します。

 

高血圧が慢性腎臓病進行の原因となる

慢性腎臓病が進行すると最終的に透析が必要となります。

透析を必要とする慢性腎臓病の原因疾患の割合を示します(4)。

一番多いのは近年では糖尿病が圧倒的ですが、最近腎硬化症(高血圧を原因とした慢性腎臓病)の割合が増えてきています。

 

高血圧が慢性腎臓病の原因となることは上述しましたが、発症してしまった慢性腎臓病がさらに進行する際にも高血圧は関係します(5)。

そのため、慢性腎臓病を合併した高血圧に対する治療目標が定められています(6)

慢性腎臓病が高血圧に及ぼす影響

これまでは高血圧→慢性腎臓病の影響を話してきましたが、次は慢性腎臓病→高血圧の影響をお話しします。

 

高血圧以外の病期が原因で慢性腎臓病となっていても、慢性腎臓病によって高血圧が発症することがあります。

 

その原因としては、腎機能が低下することによって体内に余分な水分や塩分が貯留したり、レニンやアンジオテンシン、アルドステロンといった血圧に影響するホルモンが亢進したり、あるいは動脈硬化が進展したり、など色々な原因で高血圧が発症します。

 

もともと高血圧がある場合は、同様の理由でさらに悪化したり、治療が効きにくくなったりします。

 

さらに、慢性腎臓病は、血圧の日内変動に異常を生じさせることも知られています。

 

健常な人では、血圧は睡眠中に10~20%低下することが知られていて、血圧は日内変動することが普通です。しかし、慢性腎臓病になると、この日内変動に異常が生じ、実に80%の患者さんで睡眠中の血圧低下がなくなったという報告があります(7)。

 

血圧が睡眠中に低下しない(=血圧日内変動の異常)と、腎臓だけでなく脳や心臓にも障害が生じる可能性が高くなることが知られています(8)。

 

まとめ

・高血圧は慢性腎臓病が発症する原因となる。

・高血圧によって慢性腎臓病は悪化する。

・慢性腎臓病によって高血圧は悪化する。

 

いかがでしたでしょうか。

 

色々と難しいことを書いてしまいましたが、高血圧と慢性腎臓病は密接に関連するということです。

 

そして、慢性腎臓病が悪化すると、透析が必要となります。

 

高血圧も慢性腎臓病もどちらもほとんど症状がないために放置したり、治療していても不十分なままであったりすることが多いです。しかし、症状が出てからでは遅いので、普段から血圧や尿・血液検査でチェックしておくことが重要です。

 

症状がない病気の治療を継続することはモチベーションを保ちにくいですが、先をみすえて根気よく、気長に治療することが重要です。そのために我々ができる限りのサポートをしますので、一緒に治療に取り組みましょう。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

2021/1/29 はたなかクリニック院長 畑中雅喜(総合内科専門医・腎臓専門医)

 

(1)高血圧治療ガイドライン2019

(2)Kanno A, et al. Nephron Dial Transplant 2012; 27: 3218-23

(3)Terawaki H, et al,. Hypertens Res 2008; 31: 2129-35

(4)日本透析医学会 わが国の慢性透析療法の現況(2020年12月31日現在)

(5)Imai E, et al. Nephron Dial Transplant 2016; 31: 447-54

(6)エビデンスに基づくCKDガイドライン2018

(7)Judd E, et al. Adv Chronic Kidney Dis 2015; 22: 116-122

(8)Kario K, et al. Hypertension 1996; 27: 130-5