紅麹サプリによる腎障害について
こんにちは、はたなかクリニックです。
だいぶご無沙汰してしまいました。
また、書ける時に書いていこうと思います。
このブログを書いているのが2024年4月1日ですが、最近紅麹サプリによる腎障害が話題になっています。
正直、紅麹サプリのことも知りませんでしたし、プベルル酸なんてのも聞いた事もありませんでした。
「ぷべるるさん」で変換しても、「婦部ルルさん」となる始末。誰のことでしょうか。
サプリメントによって腎障害が起こることはないことはないですが、亡くなられた方までいるとなると
確かに大問題ですね。
現時点では、腎障害の種類は「尿細管間質障害」であり、原因となる物質が「プベルル酸」じゃないか、
とまでしかわかっていないと思いますので、まだなんとも言えませんが、
「尿細管間質障害」もなかなか診断が難しい疾患です。
特有の症状もあまりありませんし、これを最初に診断し、サプリのせいじゃないかと考えた先生はすごいと思います。
(2024/4/3追記
日本腎臓学会からの中間報告があり、紅麹サプリによる腎障害の患者さんの特徴のまとめが報告されています。
それによると、症状としては倦怠感や食思不振など。
検査結果では腎機能の異常の他に、尿細管間質障害を反映して血液中の尿酸やリン、カリウムが低下することが報告されています。
また、腎生検といって、腎臓の一部をとってきて顕微鏡で見る検査があるのですが、その検査でもやはり
尿細管間質障害が指摘されているので、これは間違いないと思われます。
治療としては、サプリ内服で大部分が改善しているものの、一部には透析を要したとのことでした。
当院にも、該当サプリを飲んでいたので検査してほしい、という患者さんがいらっしゃいます。
不安に思われる方は、お問い合わせいただきますようお願いいたします。)
今わかっている内容を踏まえると、当院でできることは、
「サプリを飲んでいたけど大丈夫かな」、という方に対して、腎障害が起こっていないかどうか調べ、
疑わしい場合は精密検査を検討していくことくらいでしょうか。
腎臓専門医として、今後の情報を注視しつつ、できることをやっていこうと思います。
2024年4月1日 腎臓専門医 畑中雅喜