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足の親指の付け根が痛い!これって痛風!?

このブログをご覧いただきありがとうございます。

はたなかクリニック院長の畑中雅喜です。

 

今回は「痛風」についてです。

痛風、なったことありますか?

幸いなことに私はまだありません。

痛風は年配のおじさんがなるというイメージがあると思います。

 

女性に比べて男性の方が多い、というイメージは正しいのですが、おじさんがなる、というイメージは少し違っていて、30歳以上での痛風を経験する割合は1%を超えているとされ、比較的若くから生じることが知られています。30歳以上がおじさん、というならイメージ通りではありますが。。。

 

今回の内容

・痛風とは

・痛風の治療

・高尿酸血症とは

・高尿酸血症の治療

 

痛風とは

医学的には痛風関節炎と言いますが、痛風と言うほうが一般的ですね。「風に当たるだけでも痛い」痛風は、よくあるのは足の親指の付け根が赤く腫れ上がって痛くなる、というものです。

 

痛風の治療

足の親指の付け根の関節で炎症が起こっている状態ですので、その炎症をおさえてあげる必要があります。

冷やす、患部を上にあげる、なども効果がありますが、それだけでは到底痛みをおさえることはできないので、薬を使うことになります。なお、禁酒は必須です。

 

主な治療薬

 ・NSAIDs(解熱鎮痛剤)

 ・コルヒチン

 ・ステロイド

・NSAIDs(解熱鎮痛剤)

 最もポピュラーな痛み止めとしてのNSAIDsですが、痛風の痛みにも使用します。痛みの強い最初の時期は通常よりも多くの量を内服することもあります。しっかりと痛みや腫れ、発赤がおさまるまで内服を継続します。胃腸障害や腎障害、肝障害などが生じることがあります。

 バファリン®のようなアスピリン(アセチルサリチル酸)を主成分とする鎮痛薬は、たくさん内服すると尿酸を体外に排泄する作用があり、血液中の尿酸値が下がります。痛風発作中には尿酸の値は変動させない方がいいので、バファリン®などは痛風発作には勧められません。

 

・コルヒチン

 古くから痛風発作に使われているコルヒチンですが、たくさん飲み過ぎると効果はあるのですが重篤な副作用(消化器症状、特に下痢や骨髄抑制、横紋筋融解など)が出現する可能性があり、使いすぎないように注意する必要があります。それでもたくさん飲んだ時と効果はほとんど変わらないことが分かっています。また、コルヒチンは痛風発作予防としても使用されます(痛風がおこりそうな予兆がした時に内服する)。

 

・ステロイド

 炎症をおさえる効果の強いステロイドですが、長く使うと様々な副作用が出現するので、短期間にしっかりした量を内服し、しっかりと炎症をおさえ、その後はすぐにやめることが重要です。

 

高尿酸血症とは

 高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が高い状態のことを言います。現時点で最新のガイドラインである「高尿酸尿症・痛風の治療ガイドライン(第3版)」では、7.0mg/dl以上を高尿酸血症と定義されています。

 

 しかし、尿酸が7.0mg/dlを超えたからといって、尿酸そのものによって何か症状がでるわけではありません。

 

 尿酸が高い状態が続くことによって関節に尿酸結晶が出現し痛風発作が、また腎臓に沈着して腎障害が生じたりします。そのため、尿酸が高い状態は治療対象となります。

 

 また、尿酸が高い方は、高頻度に高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病やメタボリックシンドロームを抱えているため、尿酸だけではなくその他に病気が隠れていないかチェックする必要があります。

 

高尿酸血症の治療

血液中の尿酸値を下げる薬は様々ありますが、大きく分けると

 尿酸を尿に排出するのを増やす薬

 尿酸が体内で産生されるのをおさえる薬

に分けられます。

 

その方の他の病気などに応じて使う薬も変わりますが、最近新しい機序の薬もでてきており、治療しやすくなってきています。

 

尿酸の値が変動する時(上昇する時だけでなく低下する時も)に痛風発作は生じやすいので、薬を飲んだり飲まなかったりは勧められません。

 

また、治療の基本は薬ではなく生活習慣の改善です。カロリーの摂りすぎを控える、プリン体の摂取を控える、飲酒を控える、しっかり水分を摂る、運動する、などが高尿酸血症だけでなく、合併することが多い高血圧や糖尿病などの生活習慣病の改善にもつながります。

まとめ

・痛風が起こっている時の治療は痛み止め。

・痛風がおこらないように尿酸値のコントロールとともに、生活習慣病の管理も行う。

 

いかがでしたでしょうか。

 

痛風は30歳を超えると100人に1人が経験するとされ、2016年には全国で100万人以上が痛風になっています。経験してから治療を始めるのではなく、経験しないように治療をすることが大事ですよね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

2022/05/29 畑中雅喜(総合内科専門医)